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我また身をめぐらし日の下に空なる事のあるを見たり
片手に物を盈て平穩にあるは 兩手に物を盈て勞苦て風を捕ふるに愈れり
茲に人あり只獨にして伴侶もなく子もなく兄弟もなし 然るにその勞苦は都て窮なくの目は富に飽ことなし 彼また言ず嗚呼我は誰がために勞するや何とて我は心を樂ませざるやと 是もまた空にして勞力の苦き者なり