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遂にガリラヤに對へるゲラセネ人の地に著く。
かくて弟子たちに言ひ給ふ『なんぢらの信仰いづこに在るか』かれら懼れ怪しみて互に言ふ『こは誰ぞ、風と水とに命じ給へば順ふとは』
陸に上りたまふ時、その町の人にて惡鬼に憑かれたる者きたり遇ふ。この人は久しきあひだ衣を著ず、また家に住まずして墓の中にゐたり。