詩編 106
詩編 106

詩編 106

神の忠実さを覚える

詩編106は、神との歴史的な旅路を振り返るものです。詩人は、国の反抗的な行為(神の奇跡を忘れたり、神の命令に背いたりすることなど)を振り返り、それが審判と捕囚をもたらしたことを語ります。それにも関わらず、詩人は、神が彼の民に対する変わらぬ愛と忠実さを認めています。詩篇は、再び神が彼の民を救い出し、永遠に神の名を賛美するようにと願うで結ばれています。
1ヱホバをほめたたへヱホバに感謝せよ そのめぐみはふかくその憐憫はかぎりなし
2たれかヱホバの力ある事跡をかたり その讃べきことを悉とくいひあらはし得んや
3審判をまもる人々つねに正義をおこなふ者はさいはひなり
4ヱホバよなんぢの民にたまふ惠をもて我をおぼえ なんぢの救をもてわれに臨みたまへ
5さらば我なんぢの撰びたまへる者のさいはひを見 なんぢの國の歓喜をよろこび なんぢの嗣業とともに誇ることをせん
6われら列祖とともに罪ををかせり 我儕よこしまをなし惡をおこなへり
7われらの列祖はなんぢがエジプトにてなしたまへる奇しき事跡をさとらず 汝のあはれみの豊かなるを心にとめず 海のほとり即ち紅海のほとりにて逆きたり
8されどヱホバはその名のゆゑをもて彼等をすくひたまへり こは大なる能力をしらしめんとてなり
9また紅海を叱咤したまひたれば乾きたり かくて民をみちびきて野をゆくがごとくに淵をすぎしめ
10恨むるものの手よりかれらをすくひ 仇の手よりかれらを贖ひたまへり
11水その敵をおほひたればその一人だにのこりし者なかりき
12このとき彼等そのみことばを信じその頌美をうたへり
13彼等しばしがほどにその事跡をわすれその訓誨をまたず
14野にていたくむさぼり荒野にて神をこころみたりき
15ヱホバはかれらの願欲をかなへたまひしかど その霊魂をやせしめたまへり
16たみは營のうちにてモーセを嫉みヱホパの聖者アロンをねたみしかば
17地ひらけてダタンを呑みアビラムの黨類をおほひ
18火はこのともがらの中にもえおこり熖はあしき者をやきつくせり
19かれらはホレブの山にて犢をつくり鑄たる像ををがみたり
20かくの如くおのが榮光をかへて草をくらふ牛のかたちに似す
21救主なる神はエジプトにて大なるわざをなし
22ハムの地にて奇しき事跡をなし紅海のほとりにて懼るべきことを爲たまへり かれは斯る神をわすれたり
23この故にヱホバかれらを亡さんと宣まへり されど神のえらみたまへる者モーセやぶれの間隙にありてその前にたちその烈怒をひきかへして滅亡をまぬかれしめたり
24かれら美しき地を蔑しそのみことばを信ぜず
25剰さへその幕屋にてつぶやきヱホバの聲をもきかざりき
26この故に手をあげて彼等にむかひたまへり これ野にてかれらを斃れしめんとし
27又もろもろの國のうちにてその裔をたふれしめ もろもろの地にかれらを散さんとしたまへるなり
28彼らはバアルベオルにつきて死るものの祭物をくらひたり
29斯のごとくその行爲をもてヱホバの烈怒をひきいだしければえやみ侵しいりたり
30そのときピネハスたちて裁判をなせり かくて疫癘はやみぬ
31ピネハスは萬代までとこしへにこのことを義とせられたり
32民メリバの水のほとりにてヱホバの烈怒をひきおこししかば かれらの故によりてモーセも禍害にあへり
33かれら神の霊にそむきしかばモーセその口唇にて妄にものいひたればなり
34かれらはヱホバの命じたまへる事にしたがはずしてもろもろの民をほろぼさず
35反てもろもろの國人とまじりをりてその行爲にならひ
36おのが羂となりしその偶像につかへたり
37かれらはその子女を鬼にささぐ
38罪なき血すなはちカナンの偶像にささげたる己がむすこむすめの血をながしぬ 斯てくには血にてけがされたり
39またそのわざは自己をけがし そのおこなふところは姦淫なり
40このゆゑにヱホバの怒その民にむかひて起り その嗣業をにくみて
41かれらをもろもろの國の手にわたしたまへり 彼等はおのれを恨るものに制へられ
42おのれの仇にしへたげられ その手の下にうちふせられたり
43ヱホバはしばしば助けたまひしかどかれらは謀略をまうけて逆き そのよこしまに卑くせられたり
44されどヱホバはかれらの哭聲をききたまひしとき その患難をかへりみ
45その契約をかれらの爲におもひいだし その憐憫のゆたかなるにより聖意をかへさせ給ひて
46かれらを己がとりこにせられたる者どもに憐まるることを得しめたまへり
47われらの神ヱホバよ われらをすくひて列邦のなかより取集めたまへ われらは聖名に謝し なんぢのほむべき事をほこらん
48イスラエルの神ヱホバはとこしへより永遠までほむべきかな すべての民はアーメンととなふべし ヱホバを讃稱へよ