
詩編 64
敵からの保護を求める叫び
詩編64篇は、詩篇作者が神に向けて祈る祈りで、敵による偽りの策略や中傷的な言葉から自分を守ってもらうように求めます。詩篇作者は自分の苦悩と恐れを表現しますが、同時に神の正義と救いへの信頼も示しています。
1神よわがなげくときわが聲をききたまへ わが生命をまもりて仇のおそれより脱かれしめたまへ
2ねがはくは汝われをかくして惡をなすものの陰かなる謀略よりまぬかれしめ不義をおこなふものの喧嘩よりまぬかれしめ給へ
3かれらは劍のごとくおのが舌をとぎ その弓をはり矢をつがへるごとく苦言をはなち
4隠れたるところにて全者を射んとす俄かにこれを射ておそるることなし
5また彼此にあしき企圖をはげまし共にはかりてひそかに羂をまうく 斯ていふ誰かわれらを見んと
6かれらはさまざまの不義をたづねいだして云われらは懇ろにたづね終れりと おのおのの衷のおもひと心とはふかし
7然はあれど神は矢にてかれらを射たまふべし かれらは俄かに傷をうけん
8斯てかれらの舌は其身にさからふがゆゑに遂にかれらは蹟かん これを見るものみな逃れさるべし
9もろもろの人はおそれん而して神のみわざをのべつたへ その作たまへることを考ふべし
10義者はヱホバをよろこびて之によりたのまん すべて心のなほきものは皆ほこることを得ん