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クラウダといふ小島の風下の方にいたり、辛うじて小艇を收め、
之がために船は吹き流され、風に向ひて進むこと能はねば、船は風の追ふに任す。
これを船に引上げてのち、備綱にて船體を卷き縛り、またスルテスの洲に乘りかけんことを恐れ、帆を下して流る。