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その樹長じて強固なり天に達するほどの高となりて地の極までも見えわたり
我が床にありて見たる吾腦中の異象は是のごとし我觀しに地の當中に一の樹ありてその丈高かりしが
その葉は美しくその菓は饒にして一切の者その中より食を得また野の獣その蔭に臥し空の鳥その枝に棲み凡て血氣ある者みな是によりて身を養ふ